管理人のおからです。
本日のテーマは、いつかは書きたいと思っていた子宮全摘後の性生活についてです。
なぜ、書きたいと思ったかと言うと、私自身が手術前に一番気になった部分だからです。
ネットを検索しても『子宮全摘出をしても性行為は問題なくできます』と書いてあります。
でも、もっと細かい部分が知りたくてネット検索しまくったんです。
今この記事を読んでくださっているあなたも同じでしょうか?
私は最初の主治医が男性だったこともあり、踏み込んで聞くことができませんでした。
同じように心配している方の参考になれば幸いです。
私は医療の知識が全くありません。
あくまで体験談を記憶を遡って書きます。
正しくない表現などがあるかもしれませんが、ご容赦ください。
お急ぎの方は下の目次から読みたい項目に移動できます
子宮頸部円錐切除術or子宮全摘
私が子宮頸部異形成と診断されたのは2019年12月です。
毎年受けていた健康診断で見つけていただきました。
郵便で届いた検査結果を何気なく見て、『要精密検査』の文字を発見。
去年はなんともなかったのに・・・と思いながら精密検査を受けに行きます。
その結果【子宮頸部異形成】の中の高度異形成(CIN3)と診断されます。
このページを読んでくださっている方には説明する必要がないかもしれませんが、子宮頸部異形成は軽度異形成(CIN1)、中等度異形成(CIN2)、高度異形成(CIN3)の3段階に分類されます。
私が診断された高度異形成(CIN3)は癌の一歩手前といった説明を受けました。
このままにしておけばいずれ癌になると。
ただ、当時の私は『まだ癌じゃないなら治る?』と思っていました。
しかし、HPV18型という癌になる可能性が極めて高い遺伝子型だったため手術を勧められます。
高度異形成(CIN3)で、HPV16型、18型になればほぼ100%癌になるということだと理解しました。
実際、がん保険の一時金もおりました。
治療には2つの選択肢があります。
子宮頸部円錐切除術か子宮全摘。
割合的には、子宮頸部円錐切除術を選ばれる方が多いそうです。
ではなぜ私が子宮全摘を選んだか。
それはコロナ禍が大きく関係していました。
高度異形成(CIN3)と診断された2019年で、長男が2歳、次男が1歳でした。
そしてまだ得体のしれないコロナに周りがパニックになっている時期でした。
子宮頸部円錐切除術は手術自体は日帰りも可能だけど、術後1週間、1ヶ月、3ヶ月、半年と検診が必要。
場合によっては取り切れない、または再発する可能性がある。
再発した時は子宮全摘になると説明を受けました。
一方、子宮全摘は入院は5泊6日。
検診は術後1ヶ月の1回のみ。
何より『子宮頸がん』の心配はなくなる。
色々考えたのですが、私が子宮全摘を選んだ最終的な理由は、『病院に行く回数が少ない方』でした。
1歳と2歳の子供を連れて、コロナ禍で厳重体制の病院に3時間も4時間もいることが不可能に思えました。
私には頼れる実家はなく、結局入院中は義母に無理をかけることになるのですが、それでも負担は最小限にしたいのが本音でした。
私が『最初の主治医』といった理由は、手術直前に主治医がコロナに感染したからです。
病院自体が閉鎖されてしまったのです。
本来なら2020年3月に手術予定でしたが、『今すぐ命に関わらない』手術は全てキャンセル。
一生懸命他の病院を探してくれましたが、見つかるまでの間は、やはり不安でした。
無症状ですが、もしかしたら今、癌化しているかもしれない・・・
そんなことをつい考えてしまうのです。
約2ヶ月後に受け入れてくれる病院がみつかりました。
検査は前の病院で終わっていたので、新しい病院では術前に一度説明を受けるだけでした。
今度は主治医が女医だったこともあり勇気を出して気になっていた『術後の性生活』について聞いてみました。
『子宮を取っても性行為はできますか?』
『もちろんできますよ。でもレスになる割合が多いのは事実です。』
『なぜですか?』
『性交痛が出る人もいます。後は精神的な問題が大きいかもしれません。』
『いつからできますか?』
『順調なら術後3ヶ月でもできるけど、半年くらいが安心かな?』
こんな会話をしました。
少しホッとしたのを覚えています。
子宮全摘の手術直前と術直後の様子
コロナ禍だったため、入院時も付き添いは認められませんでした。
家から一人でタクシーに乗って病院に向かいます。
4人部屋でしたがコロナのせいでカーテンは締め切っており、できるだけ接触しないようにと言われていました。
カーテンで仕切られた狭い空間で、ただただ時間を持て余していました。
手術は入院の翌日です。
麻酔の説明を受け、『万が一があっても訴えません』的な承諾書にサインし、歩いて手術室に向かいました。
手術台にも自分で上がります。
『怖い』という気持ちはそれほどなく、和やかな雰囲気で談笑する医師達に『お願いしまーす』と言う余裕さえありました。
でも。
手術台に仰向けになり、手術の照明器具に映る自分を見たときに、『万が一がおきたら』もう子どもたちには会えないんだ。
いつも文句ばっかり言ってしまう夫に『ありがとう』も言えないんだ。
そう思うと急に涙がボロボロこぼれました。
私はどちらかと言うと強いタイプです。
手術台の上で泣いたのは自分でも意外でした。
でも自分の意思ではどうすることもできない状況で不安になったんだと思います。
声を出さずに一人で泣いている私に気づいた看護師さんが、『大丈夫!みんないるからね!頑張るよ』と手を握ってくれたのを最後に麻酔で眠りました。
術式は、腹腔鏡手術でしたので、おへそと下腹部2箇所に穴を空けました。
ちょうどおへそが上で線で結ぶと二等辺三角形のような配置です。
手術当日は、痛み止めを打ってもらっていたので、我慢できない痛さはありませんでした。
ただ、血栓防止のため、足を加圧する器具で一晩中マサージされていたので、寝返りが打てず、いつも横向きで寝る私はほとんど眠れませんでした。
翌日から歩行が始まりました。
起き上がる時は、それなりに痛むので柵につかまりながらです。
歩く時も、我慢ができないほどの痛みはありませんが、自然と前かがみになってしまいます。
血抜きの管とおしっこの管がとれて、シャワーに入れたのは3日目でした。
この頃には、若干前かがみですが、割と普通に近い速度で歩けるようになっていました。
ただ、同じ部屋で同日に同じ手術をした方は、歩けないと言っていたので、私は回復が早かった方なのかもしれません。
退院の日は夫が迎えに来てくれました。
『ありがとう』と言いたかったはずの夫の顔を見て安心したのに、強がりの私は『大丈夫。わりと元気だよ』と可愛くないことを言っていました。
家に帰ると下の子が飛びついてきます。
抱き上げる事はできませんでしたが、しゃがんで抱きしめることができた時は本当に嬉しかったです。
しばらくの間は、力むことができません。
なので、排便に苦労しました。
入院中から便秘になっていたので、整腸剤は飲んでいましたが、出そうと思っても、最後の一踏ん張りができないのです。
でも便秘問題も1週間後には解消していました。
子宮全摘後の体調
私はとても順調でした。
溶ける糸を使用していたので抜糸もありません。
1ヶ月検診のときには、重たいものを持てない以外はいつも通りの生活が送れていました。
ただ、まだ小さい子がいる私にとって、抱っこができないのはかなり辛かったです。
自分が座って膝の上にのせても泣き止まない時は困り果てました。
でもなんとか日常を取り戻しつつあった頃、突然出血します。
術後、1週間ほどで出血は落ちついていたので、とてもびっくりして病院に電話しました。「良くあることなので、出血が続くようなら来院してください。」
結果的に出血はすぐ止まり、病院に行くことはありませんでした。
3ヶ月経ったころには、温泉に行ったり抱っこしたりもできていました。
あたりまえですが、術後、生理はありません。
私の場合、卵巣は残してあるので毎月排卵はするそうです。
でも自分では分かりませんし、生理痛もありません。
コロナになり、大量に買いだめしてあったナプキンの処理に困った事以外は、子宮全摘をしたことで不都合なことはありませんでした。
子宮全摘後のメンタル
ここは、色々な方がいると思います。
子宮を取ったことで「女性」としての自信を失くす方もいるようです。
私の場合、晩婚でしたが2人の子供にも恵まれたため、子宮への執着はなく「赤ちゃんを育ててくれありがとう。」という気持ちで子宮とお別れしました。
生理が来なくなった事に関しては、多少ながら淋しさはありました。
ママ友と生理の話になった時などです。
わざわざ 手術の話をすることもありませんでした。
手術から4年経った今は、生理がない事に快適さを感じてさえいます。
手術の傷跡は一生懸命探しても見つけられないほどキレイに治っています。
子宮全摘後の性行為について
結論から言うと、何も心配しなくて良いと思います。
でも、術前に私が知りたかった事を具体的に書きたいと思います。
1、痛くないか?
術後、私が初めて性行為をしたのは、おそらく2年近く経ってからだと思います。
久しぶりという事と、子宮が失くなった事で相手の感じ方が変るのでは?という不安感から
緊張したのを覚えています。
痛くはありませんでしたが、奥を責められるのは「怖い」と感じました。
夫も気を使ってくれていたので問題ありませんでした。
性行痛については、個人差がかなりあると思います。
緊張すると、濡れにくくなると思うので、パートナーと相談してローションなどを使用するのも良いと思います。
2、濡れるのか?
私は大丈夫でした。
これは手術前に医師に聞いた質問のひとつでした。
子宮を全摘して、子宮の入り口だった部分を縫い合わせているので、簡単に言うと行き止まりになっています。
私は、膣分泌液は子宮から出ていると思っていました。
でも膣壁全体から滲み出るものなので、子宮がなくてもちゃんと濡れます。
3、感じ方は変るか?
気持ち良さは変りません。
性感帯に詳しくないのですが、「奥」が感じる人にとっては感じ方が変るのかもしれません。
今は、奥を触られる怖さもありませんが、もともと奥が好きという事もなかったので、私の感じ方は変ってないと言えます。
4、精子はどこへ行く?
子宮への入り口がないので、膣の中に留まります。
私が、心配したのは、ダァーっと出てきてしまうのか?ということでしたが、手術前と同じでした。
5、男の人の感じ方は変るのか?
夫に聞いてみました。
女性がイキそうになると、子宮が下がってくる感覚があると思います。
下がってくる物がないので、圧迫される感じは無くなったそうです。
気持ち良さが減ったのか?というと、そんな事はないようです。
気を使っている可能性もありますが、イケなくなったり、時間が前よりかかるという事もないので、それほど変化はないのではないか? と思っています。
6、性欲がなくなる?
年齢的なものや個人差があると思いますが、私の場合、性欲がなくなったのは術後1年間くらいだと思います。
避妊の心配をする必要もなくなりましたし、私にとってはマイナスの事は何もありませんでした。
ただ一つ変わったのは、潮を吹かなくなりました。
正しい理由は分りませんが感覚的な事で言うと、吹きそうになってきたときに、子宮が降りてくる?広がる?ような感覚が以前はありました。
夫が言っていた『圧迫感』というものです。
それがないから吹かなくなったのだと思います。
これは私にとっては良かったことです。
その時は盛り上がっていても、洗濯や後片付けを考えると、自宅で潮を吹くのは嫌でした。
しかも吹いてしまうとイケなくなるので、潮を吹く『開放感』は嫌いではありませんが、必須ではありませんでした。
なので今は『洗濯』の心配をして気分が盛り下がることもなくなり、集中できるようになって良かったと思っています。
夫は少し淋しいようですが笑
それくらい我慢してもらいます。
腹腔鏡手術で子宮全摘した私の体験談まとめ
子宮頸部円錐切除術にするか子宮全摘か。
術式が腹腔鏡手術なのか開腹手術なのか。
卵巣は残すのか取るのか。
その人によって術後の経過はそれぞれ違うと思います。
私は子宮全摘を選んで、今問題なく快適に生活していますが、子宮全摘をおすすめしているわけではありません。
また、子宮頸がんの心配はなくなりましたが、卵巣がんの可能性はありますので、年1回の健康診断でエコー検査をお願いしています。
ただ、『病気』になり『子宮全摘』の説明を聞いているときに、『性行為』のことばかり質問するのは気が引けると思います。
家族やパートナーも『術後の性行為』の心配より『命の心配』をすると思います。
本人も『治療』が最優先なのですが、でも、その後の『性生活』というのもとっても気になると思うんです。
それを聞けないまま、不安な気持ちで手術を受けてほしくないので、少し生々しい部分もあったかもしれませんが書かせていただきました。
不安な事は医師に相談してみるとよいと思います。
そして、何よりもパートナーと話すことが大事だと思います。
手術した自分も怖いですが、きっと相手もどうしたらよいか不安だと思います。
私がそれに気づいたのはかなり経ってからでした。
もし、何か心配なことがありましたら問い合わせフォームから質問してください。
私でお答えできることはさせていただきます。
この記事を読んで少しでも不安な気持ちが解消されていれば嬉しいです。
最後までありがとうございました。
コメント